2005年　5月　6月　7月　8月

8月6日（土）＜75日目＞＜バイト35日目＞　現在地⇒北海道利尻富士町「プチホテル川一寮」

　蝉時雨

　　06時45分起床。昨日から泊まっている方が起きてきて顔を洗いに来ると昨日言っていたので、それま
　でに起きていようと思ったけど階段を下りてくる音で慌てて起きてしまった。
　　洗面台が壊れて使えないから私が寝ている部屋のキッチンまで洗顔に来るのだ。
　　2泊の予定が4泊に延長されたのでこの生活はもう少し続く。まあ、起きる時間は大して変わらないから
　別に問題ないんだけど、やはり気を使う生活は疲れるものだ。

　　朝から青空が何処までも続くような快晴で久しぶりに雄大な利尻の山並みがくっきりと顔を出している。

　　朝食は20人と、過去に無いほどの人数で後片付けも容易ではない。片付けているときに甲子園の開
　会式が放映されていた。ん〜、今年も熱い夏がやってきた。この時期は夏で一番萌える時期だ。
　　実は高校野球ファンな私。頑張れ高校球児、頑張れ新潟明訓高校！！
　　と言うことは本日から熱湯甲子園が始まる。楽しみだ。

　　お昼になると一層暑くなりセミが鳴き始めた。この短い利尻の夏を惜しむように泣き続ける彼らは一体
　何のために鳴くのだろう？
　　地上で1週間鳴き続け、その短すぎる一生を終える彼ら。たったこれだけの期間のために3年も土の中
　で我慢して我慢してようやく晴れの舞台に出てきたのだ。悔いの無い人生を送ってもらいたい。
　　私も彼らに負けないくらい鳴き続け、輝く人生を歩んでいこう！

　　夕方、少し外に出てみるとそこには素晴らしい夕焼けが鮮やかに空にグラデーションを架けていた。所
　々に佇む雲がアクセントになって、より美しい。写真に収めたい衝動に駆られたがカメラは持っていない
　ので、ブレない様、静かに心の中でシャッターを切り、まぶたの裏に焼き付ける。いつまでも忘れたくない
　風景に出会えた瞬間だった。

　　そう言えば自転車で走っていた時に比べたら随分日が短くなってきた。本日の日没は18時55分。ここ
　1ヶ月程で1時間も短くなった。これから北海道を周って本州を南下すれば更に短くなる。必然的に走れる
　時間も短くなるから、その点を十分に計算に入れて走らなければ。まっ、そんなに急ぐ旅じゃないけど。