自転車日本一周リアルタイムログ!
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2005年 5月 6月 7月

7月27日(水)<65日目><バイト25日目> 現在地⇒北海道利尻富士町「プチホテル川一寮」

 夢

  昨日の日本時間23時39分、宇宙飛行士「野口聡一」さんを乗せたスペースシャトル“ディスカバリー号”
 がフロリダのケネディー宇宙センターから無事に打ち上げられた。コロンビアの爆発事故以来2年半ぶり
 の打ち上げだ。
  耐熱タイルが一部剥がれ落ちたと言う報道もあり、前回の教訓が生きていないという考えもあるようだ
 けど、そのような事故に備えるために野口さんが搭乗しているのだ。今回は無事に帰還することだろうと
 願っている。

  野口さんは小学生のときから宇宙飛行士になることが夢だったそうだ。小学校1年生の文集にすでにそ
 のことをしるしているから凄い。更にそれを実現させちゃったもんだから益々すごいね。

  人それぞれ種類は違えど夢を持っているものではないだろうか?「夢なんてないよ」と言う人は忘れて
 いるだけ
で、子供の頃夢見たことはきっとあるはず。プロのスポーツ選手、パイロット、警察官、保母さん
 、はたまたお嫁さんなんてのもあるかもしれない。その夢を今一度思い起こして欲しい。夢を持って生き
 ている人ってカッコいいと思いませんか?
  しかし、大人になって尚夢を忘れていない人は少ない。更にその中で夢に向かって我武者羅に突き進
 んでいる人なんてほんの一握りかもしれない。みんな大人になって現実を突きつけられ、「自分には無理
 」だと思い込んでしまうのではないか?
  諦めてしまった時点で夢は消えてしまう。どんな状況に陥ったとしても、諦めない限りチャンスはあるの
 だ。そのチャンスを掴むかどうかは努力にかかっている。

  かく言う私はどうだろう?私の場合、中学生の頃から船乗りになることが夢だった。ただ当時はまだ漠
 然と船に乗りたいというレベルに留まっていた。びしっと制服を着て真っ白い船体の船をこの手で動かす
 ことがカッコよく思えていたのだ。
  必然的に高校も新潟県唯一の海洋高校に進学。こう言っちゃ何だけど、そこそこのレベルの普通科に
 も進学できたのだけど、そんな普通科には目もくれず推薦で海洋高校に入学。ここから船乗りへの勉強
 が始まったのだ。

  高校生活3年間は本当に楽しかった。初めての長期航海、初めての海外航海でロシア・ウラジオストッ
 クへも行った。なによりかけがえの無い友人が出来た。一緒に長い航海を乗り越えたこの感動を分かち
 会える友人とは今でも親友だ。

  高校を卒業して清水市(現静岡市)にある海員学校に進学。ここでは皆がみんな私と同じような夢を持
 った人ばかりが集まる。そうなれば楽しくないわけが無い。遠洋航海でハワイにも行き、帆船日本丸でも
 航海をした。今ではまず見かけない蒸気タービン船のボイラー前で大汗をかきながらの実習。ここまで
 暑いと逆に気持ちいいよ!なんて思いでも。
  二十歳の誕生日はこのタービン船の機関制御室で迎えたんだっけ…。ハワイへ向かう途中の「しし座
 流星群、周りには明かり一つ無く、まるでプラネタリウムかのような満天の星空に流星痕を力強く残して
 流れる流星達。そこには素敵な時間も一緒に流れていた。
  ハワイ入港直前にはグリーンフラッシュも観測。TVのCMで、これを見た人は幸せになれるって言って
 いたっけ…。その幸せがいつ訪れるかは分からないけど、もしかしたらそれを見た瞬間が幸せだったの
 かもしれない。
  同じくハワイを出港するときには主虹と副虹、2本の虹が架かるいわゆる二重虹も見た。虹の街ハワイ
 を実感。もちろん朝日も夕日も素晴らしく、逆に低気圧の通過による船体の激しい動揺、日本丸での帆
 走は思いっきりヒール(横傾斜)しながら12ノットをたたき出すなど、自然の力、素晴らしさをリアルに体感
 出来るのも船だからこそだと思った。
  私はこの船の世界に一生身を置きたい。そう改めて思った。

  現在は一時的に船を離れ、自転車での旅をしているけど、旅が終わればまた船に、海に帰るだろう。
 その時どのような船に乗りたい?と自分自身に問いただしているのだが、まだ答えは出ていないように
 思う。ただ、本当にやりたいことは、先ず、長期の航海が出来ること。毎日帰りたいと言う人のほうが多い
 中、私はと言うとず〜っと船内で生活していてもいいと思っている。それから公務員っていうのも大事な
 要素だ。“人のために”ってガラじゃないかもしれないけど、凄く素敵なことだと思う。今までの職は何れも
 公務員だった。決してそれが嫌でやめたわけではなく、むしろ好きと言ってもいい。これからも誰かのた
 めに働いていければと思っている。なんて、カッコつけすぎかな。

  今一番の夢は海上保安官、これは間違い無い。高校の頃に一度試験を受けただけだけど、今になって
 …いや、ずっと前からなりたかったのかもしれない海のスペシャリスト。訓練も多く、仕事も大変だかど、
 海で困っている人の正義の味方だ。どんな困難な状況でも救助に駆けつけられるような保安官になりた
 いと思っている。
  しかし、もう一つやりたいことがあり、それは実習船の航海士だ。海の、船の素晴らしさを子供達に教え
 、少しでも多くの学生に興味を持ってもらいたい。私の初めての仕事がそれだった。まあ、航海士ではな
 くて臨時職員だったのだけど。

  いずれにしてもこの旅を終えるまでには結論を出したいと思う。旅を終えて直ぐに試験に臨めるように
 勉強のための問題集も持参して旅をしているのだ。少しずつでも勉強しておかないと。
  夢は叶えるものではなくて掴むもの。努力次第ではどんな夢も実現できると信じる。

  さて、本日はツアー客が多かった。バス3台で、3台目のバスは14時前に到着。前2台のバスで席は全
 て埋まっていたために入れ替えての席作りだ。この時間差というのがちょっと厄介者で、お昼にゆっくり
 と休むことが出来ない。当然時間も押して来るからいつもよりピッチを上げて仕事しなきゃいけないのだ
 。休憩もろくにないのに仕事のスピードを上げるんだからそりゃ疲れる。悪循環だけど、今日1日だけの
 ことだし、まっいっか。
  それにしても14時に昼食なんてお客さんもたまったものじゃないよなぁ。

  今日は台風7号の影響で昼過ぎから大雨となった。稚内地方では43日ぶり雨らしい雨だそうだ。フェ
 リーも利尻・礼文航路が欠航したけどお客さんは稚内からだったので影響は出なかった。まあもともと北
 海道は台風の影響少ないところだからな。

  仕事後に「はたけやま」に買出し。ナベさんが上の「若貴」にいるかと思って聞いてみると「サッカー見て
 帰ったよ」と言うので私も寄らずに帰ることにしたのだが、家に着いて落ち着く間もなくナベさんがやって
 来た。実は彼、今携帯の機種変更中で電話が使えないため、直接呼びに来てくれたのだ。ちょうど私が
 「はたけやま」に行っている時に来たらしいけど、真っ暗だったからセイコーマートまで行って、また家に
 来てくれたみたい。携帯使えないと不便やねぇ。いや、島だから不便なのか?機種変更にそんなに時間
 掛からないよなぁ、普通なら。

  ここでメニューにはないけど「キューバリーブル」を注文すると「初めて聞いた」と言われた。ん〜、島で
 は通用しないのか?と思ったけど、「ラムとコーラなんですけど」と言うと「あ〜、ラムコークね」と作ってく
 れた。そっちのほうが初めて聞きましたよ。
  ん、旨い。でもこのラム強すぎるな〜って思っていたらアルコール度数75%!!「ラムちょっと入れすぎ
 たかな」って、その“ちょっと”が大変なことになっているんですけど(笑)
  この店には「スピリタス」というカクテルがあって注意書きに「世界最強の酒注意!!」と書いてある。
 アルコール度数は脅威の98%!とてもじゃないけど飲めないでしょ?と思っていたらチャレンジャーはや
 ぱりいるそうで、何と一気した人もいるそうな。外で吐いたらしいけど…。一度挑戦してみたい気持ちはあ
 る酒だ。

  酒の席だけど「ポラリスさんが来年も来るなら俺も来ようかなぁ」と嬉しいことを言ってくれる。ナベさんは
 10月までの契約で4年目。冬は地元に戻って家の手伝い(網の修理とか)をしているそうだ。今のところ
 来年は来ない予定だそうだが私次第では来年も来るって言っている。
  旅の進行状況にもよるけど、来年の夏もここで過ごせたらいいなぁ。その可能性は少ないかもしれない
 けど、それほどここは居心地がいいのだ。


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