自転車日本一周リアルタイムログ!
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2005年 5月 6月 7月 8月 9月

9月3日(土)<103日目> 現在地⇒北海道礼文町「久種湖畔キャンプ場」

 愛とロマンの8時間コース

  04時30分起床。すでに予定より30分遅れなり。まあ気にしないけど。

  今日は数ある礼文散策コースの中で、設定されている最も長いコースである「愛とロマンの8時間コース
 」を歩くのだ。

  礼文最北端のスコトン岬から西側のルートを歩き、最後に山を越えて香深井(かふかい)まで辿る礼文
 縦走ルート
だ。

  05時20分にキャンプ場を出発してスコトンを目指すが、強い西風が向かい風となっている。それにして
 も強すぎる!今日は大丈夫だろうか…?

  05時55分スコトン岬着。強風の中写真を撮るが、全天雲だった中、ようやく朝日が差し込んできた。少
 し休憩を取ってからいよいよ8時間コースに挑んだのが06時10分。予定では14時10分に歩き終えると言
 うことだな。何が「愛とロマン」なのかこの目で確かめに行こうぞ!
 
 スコトン岬からのご来光〜。

  でも体調悪すぎ…。咳も出るし、鼻水がダ〜ッって。
  看板に「8時間コースは天気と体調のいい日に」なんて事が書かれてあり、しかも「出来るだけ単独行は
 やめましょう!」なんて書いてあるけど、そんな事は知らん!!(笑)
  今日しかないのだ。そして一緒に歩く人もいない、「オイラ孤独な一人旅」ってね。どうせ一本道、なんと
 かなるでしょ。

  歩き始めて直ぐに2コースに分かれる。鮑古丹コースとトド島展望台コースで、私は前者を選択。ここま
 で海岸線を走ってきたから今回もということだ。

  30分後、その2コースの合流地点に到着。相変わらず風も強く、曇ってはいたけど視界は良好で、おっ
 、サハリンが見えるぞ。

  そこから先は海沿いを歩くコース。道的にはずっと獣道のような細い砂利道だけど、たまに海岸がその
 ままコースに含まれていることがある。

  鉄府漁港から再び山を越えて澄海岬(すかいみさき)のある西上泊(にしうえどまり)に到着したのが08
 時22分。ここスカイ岬はとても眺めのいい所。その名のとおり海は澄み渡り、この強風も神秘的でさえ
 る。礼文の秘境と言うのもうなずける。
 
 スカイ岬

  と、キャンプ場で貰ったルーとマップには「途中食堂はありません」と書いてあったのにココにあったぞ!
 ウニ丼とかあるし…。まだ時間が早かったので開店していなかったけど、どっちにしろ却下だな。
  ちなみに、ここから浜中方面へ戻ると4時間コース。8時間コースはまた山道へと続くのだ。

  迂遠内(うえんない)までが長かった…。約9km、初めは草原の中をだらだらと歩く。景色も良くてここま
 では楽しめたのだが、途中から林の中を通るコースに変わった。
  こうなると景色はいっこうに変わらず黙々と惰性で歩くばかりだ。「早くこの林を抜けたい!」と言う思い
 だけで歩いていく。
 
 こんな看板をしょっちゅう見かけたけど、あと何キロなんですか?お願いだから教えてください!

  延々と歩いて行くと通称「砂すべり」と言う急斜面に出た。が…、見た瞬間かなりビビる!どう見ても崖
 だぞ、これは?
  本当にコースかと思って周りを少し見るも他にコースらしきものが見当たらなかったので覚悟を決めて
 下りる。
  ずるずると滑り、気を抜けば滑落しそうだったけど何とか下りると…道が無い!!ちょっと人が通った
 跡らしきものはあるけど、そこは倒木がにふさがれ、とてもじゃないけどいけそうも無い。

  やっぱり道が違うと思って再び斜面を登るも、ルートはここしかない様な気がする…。

  少し考えた。このまま突入するか?それとも引き返すか?
  何故か他のルートを真剣に探すという選択肢は無かった…。「ここしか道は無い」と思い込んでしまって
 いたのだ。
  この「思い込み」って言うのは一番危険な事だと分かっているんだけど…。

  考えた末再度アタックに決定!しかし、さっきよりも先に進んだけどやっぱり無理だ。
  ごく最近崩落したのだと勝手に決め付けて引き返すことを決意。
 
 こんな所を下りていった。死ななくてよかったよ〜。

  あ〜、ここまで来て戻るのか…と、やるせない気持ちと脱力感でトボトボと歩いていると2人の人がこっ
 ちに来た。
  「この先行けませんよ」と言うと、
  「えっ!?さっき逆ルートから来た人と会ったよ」と。
  「何ですと!?」
  じゃあやっぱり道が違ってたんだと3人で歩き始めた。

  途中2人は昼食と言う事で私1人で進む。
  先ほど引き返した地点でよーくルートを探すと…あった!少し丘を越えた先に正規のルートが…。よく
 探しておくんだった…。
  後悔するも時すでに遅し。しかしこれで先に進めるという思いが込み上げてきて嬉しくなった。

  迷いに迷ってようやく迂遠内に着いたのが12時05分。うわっ、もう6時間経過してるじゃないか!ロスし
 たな〜。

  ここから礼文林道まではものすごい坂道で、実はこの道が一番しんどかった。
  休み休み歩いて12時56分、ついに8時間コースの終点、礼文林道に到着。

  所要時間は6時間46分。6時間くらいで行けるかなって思っていたのに、引き返したりで思わぬ時間を
 喰ってしまったしなぁ。まっ、6時間台だから良しとするか(何が?)。

  色々あったけど「愛とロマンの8時間コース」十分満喫しました。あのタイミングでお2人に出会えたこと
 感謝しています!!もし出会っていなかったらと思うと鳥肌もんですわ。

  コースはここで終了だけど、バス停のある香深井まで更に歩く必要がある。正直緊張の糸が切れた様
 で歩きたくない。ほとんど惰性に任せるばかりだ。

  香深井まで出てバス停を探すも見当たらないので近くに人に聞いたら「どこでも止まるよ」と。
  「ホントかよ!?」と突っ込みたくなったけど一応バス停の場所を聞いていく。

  え〜っと、バス時刻は…2時間待ちか…。知ってはいたけど少なすぎる。1日5本ってどういうことよ?

  2時間無駄にするのも何なのでヒッチハイク決行!!あわよくばスコトンまで一気に行ってしまおうと言う
 魂胆。
  初ヒッチだ。目的地ボードは掲げずに親指のみで挑戦。…が、全然止まらない。スコトンまでは観光客
 しか行かないだろうけど、マイカー持って来る人は皆無なんだよな〜。

  でも1台も止まらないってどうなってんの?今度ヒッチハイカー中田さんにコツ聞くべ。

  そのうち人が集まりだしてきた。どうやら駅伝大会らしく私も観戦した。さすがにこの人の中でヒッチする
 勇気は無い(笑)
  結局全チームが通過するまで1時間くらいかかってしまい、あと15分でバスも来るということでヒッチハイ
 クはあきらめた。
  こうして初ヒッチは惨敗に終わり、おとなしくバスに乗る私…。あ〜、むなしい

  バス到着。しばらく走ると車内アナウンスで
 「停留所以外の場所でお下りのお客様は乗務員にお申し出下さい、近くの安全な場所に停車します」
  おお〜、ホントだった。しかも公言してるぞ。すげ〜。

  更にマジで止まったし、バス停じゃないところから手を挙げてバスを止めておばあちゃんが乗ってきた。
 すげ〜×2。

  スコトンまでまだ時間があるので寝ていると
 「次は終点、船泊(ふなどまり)病院前〜〜」

  えっ?終点??まさかよ〜。    …その終点だった。

  運転手さんにスコトンまで行くには…と聞くと
 「次の終バス待つか歩くしかないね」と。
  ちなみに次のバスまで2時間、歩いても7kmだぞ。

  こうなったらしかたない、歩きながらヒッチハイクでもしようと思っていたら前方に見覚えのある女性。
 8時間コースで会った2人のうちの1人だ。
  星観荘に泊まっているらしく浜中まで歩くというので、一緒に歩いて話をすると、8時間コースを歩いてい
 たもう1人の男性の方は通称24時間コースと言う島一周のコースを歩いているそうだ。
  そんなコースがあるなんて知らなかったけど、勝手に命名しているだけだって。

  話の中で桃岩荘と星観荘について。どちらもユースホステル形式に違いは無いけど、対立の立場にあ
 ると話してくれた。お祭り騒ぎの桃岩か、落ち着いた星観荘か、好みの分かれるところだ。

  2km程で浜中に到着。ここに「中島商店」と言う店があり、そこのソフトが絶品と言う事で食べる。…ウマ
 イ!!この濃厚でコクのある味といったら…。お勧めです。
  他にも何故か沖縄の泡盛が沢山置いてあり、星観荘の人とか飲みにくるのだそうだ。いや、居心地い
 いっすよ。
 
 中島商店さんの泡盛たち。

  彼女は星観荘のバスを待つそうで、私は先に出発。あと5km、やはりヒッチしかないな。…車とおりませ
 んけど。…と、1台の車が私を追い抜き停車。ん?、ヒッチハイクしてないんですけど。
  中からさっきの彼女が出てきた。星観荘(に住んでる人)の車らしく、スコトンまで乗っけてくれた。あり
 がとう!

  帰り道に少し遠回りしてトド島展望台コースを通ってくれた。今は天気も良く素敵な夕日がみられそうだ
 ったけど私はキャンプ場まで自転車で行かなければならないので日没を待たずに出発。
 
 トド島に映える夕暮れ。羊雲が〜静かに揺れる by レミオロメン

  キャンプ場に着くと人多いな〜。さすが土曜日。
 疲れたのでご飯を食べて20時には寝てしまった…。


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