自転車日本一周リアルタイムログ!
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2005年 5月 6月 7月 8月 9月 10月


10月14日(金)<144日目> 現在地⇒青森県野田村「道の駅のだ」

 リアス式に挑戦

  06時起床。テントを張ってないので撤収も簡単だ。夜もそれほど冷え込まず、あまり寒くはなかったけ
 ど、人の出入りがある場所なので夜中に起きてしまった。
  中には何故か大声出して入ってくる人もいるのだ。電話しながらとかね。

  朝は食パンと昨日買った葡萄で済ませる。トマトは…お昼にでも食べるかな。

  出発は07時45分。向かいのサークルKに寄って今月号のビーパルを探したけど見つからず。
  まだ08時前だってのに暑すぎて、今日は最初から半袖半ズボンで走る。気温は18℃。暑くなりそうだ。

  R45を久慈方面へ。アップダウンが激しく、いよいよリアス式に突入した感がある。ここから仙台までは
 相当厳しい道のりが予想されるのでいっちょ気合を入れて行くか〜。

  20分も走ると岩手県に突入。長かったな〜青森県。行きも帰りも。
  岩手県はのんびりとした雰囲気だ。青森の同じような道は”寂しい”感じがしたけど、ここは“のんびり”
 だ。昔ながらの家屋に畑が広がる、タイムスリップしたような錯覚におちいってしまう。

  久慈の手前10kmくらいのところで見覚えのある人が歩いていた。目を引く特徴のあるいでたち。お遍路
 ルックのその方は、北海道で会ったその人だった。
  突然の再会に嬉しくなったが、同時にちょっとだけ凹んだ。
  「トホダーに抜かれてたんかい!」

  なんて遅いチャリダーだと思いつつ話しかける。お久しぶりですなんて。あれからどうしたとか、ここは
 どうだったとかって話をしながら、今日は次の道の駅「のだ」まで歩くそうだ。
  前回もそうだったけど、初日のアップダウンで少々まいっていたときのこの出会いは嬉しかった。そうだ
 よ。歩いて日本一周している人もいたんだった。自転車が弱音を吐いてどうする?

  私はその次の駅まで歩くつもりだったけどちょっと予定を変更して「のだ」でもいいかななんて思い始め
 ていた。

  1時間ほどで久慈市に到着。まず向かったのが本屋さん。ショッピングセンターの看板を目指して走っ
 て行くと大きな本屋を発見したので、そこでビーパルを購入
  シェルパ斉藤さんの自転車旅の記事の中で大間で出会った「かとうあづみ」さんが載っていると対馬海
 流さんから聞いていたからだ。
  内容を見てみると、お〜、トップにでかでかと…。他にも出会った人たちの写真が掲載されていて、私
 も出会いたかったな〜、とまだ未練たらたら(笑)

  さて、次は食料の調達だな。近くに大きなショッピングセンターがあり、スーパーもあったので入店。パ
 スタや食パン、ソーセージなどの基本食料と昼食用のパン、ついでに“すあま”も見つけたので購入。お
 金使っちゃったな。
  丁度お昼。外に出ると「あっつ!」
  手元の温度計では25℃を記録。立派に夏日だ。
 
 ご当地牛乳「たのはた牛乳」。実はたのはたはまだ先ですが…。冷やして美味しいって普通だよね。
 
 と思っていたらホットも美味しいそうです。ちなみに85℃15分殺菌。

  店内の休憩所でお昼を食べながらルートの選定。やはり今日は道の駅「のだ」にしよう。ここから15km
 もないけどまあ、いいや。
  それに伴い国道から県道へルートを変更。本格的なリアス式を体験するためのルートだ。せっかく三陸
 に来たんだからコレを体験しなきゃ意味が無い。
  多くの人は海岸線沿いのR45すら避けて盛岡などの内陸を通るR4を選択するんだけど、私はR45から
 更に海沿いのルートを通ることにする。さすがに全て海岸線で行くって事は厳しいので、行きたい所だけ
 行く
って感じかな。

  久慈を出てから県道268号へ。いきなり殺人的な登りが出現して先が思いやられる。
  しかしその坂を登ってしまうと切り立った断崖絶壁、正にリアス式を体感出切る絶景の道になる。初め
 ての光景にしばらく感動だ。
  海岸ぎりぎりに走ることに加え、波が高いので道路が濡れている。サングラスにも波飛沫がかかってし
 まって見えなくなったので外して走る。ずい道とかもあったなぁ。

  おもしろい形の岩が多く、その中で「つりがね洞」と言う岩はすごかった。真中にぽっかりと穴が開いて
 いて、その向こうに違う岩が見える。つりがねとはよく言ったものだ。
 
つりかね洞。

  小袖という集落で1人釣りをしているおじいちゃんがいたので話しかけてみる。アイナメが釣れていて、
 この先の道について詳しく教えてくれたけど、基本的に1本道です。まず迷わないと普通は思うけど、それ
 でも迷うのが私。街中は特に迷いまくってる毎日だ。

  海沿いのルートはここで終わって山道に入る。少し登っただけで周りは林に変わり、絶壁の半島そ実
 感できる。そんなの実感したくないけど…。

  最初はゆるやかだったのにもう少しで頂上ってところでありえないくらいの登りになった。ヤッベ〜。こ
 んな道とおってくるんじゃなかったと今更ながら後悔してもしかたない。登るしか道はないのだ。
  しかしあまりの激坂に途中で休憩。全身からは汗が噴出し、暑い暑い!

  なんとか漕ぎきって下るも、怖すぎる!12%の坂に狭い道。まるでジェットコースターばりのスリルを味
 わいながら下っていく。
  半袖で下っていたにも関わらず、寒くは無い。やはり今日は暑いのだ。

  下りきって野田まで3kmほど。まだ時間に余裕があったので反対方向の久喜漁港方面へと向かった。
 単なる暇つぶしの予定だったけど思わぬ光景が目に飛び込んできた。
  町を覆い囲むような巨大な堤防がある。あたかもそこは別の国で、要塞化されている都市のようだ。
 感覚で何かおかしいと言うレベルじゃない。あきらかに異質な空気が立ち込めている。

  悪天候時に陸の孤島になるのだろうか?町の入り口、中間、港の入り口の3箇所に巨大なゲートが設
 置されている。「孤島になる前に孤島にしてしまえ!」と言う逆転の発想でしょうか?
  町を守るためにここまでしなきゃいけないなんてどれほど荒れるのよ?
 
 こんなゲートが閉じるのか…

  さて、そろそろ道の駅に向かう。たった3kmなのであっという間に到着。時間はまだ15時前だ。ここの名
 産「どんぐりアイス」を食べてみる。
  どんぐりってこんな味なのね。まあ美味しいです。
  イスに座ってアイスを食べていたらおばちゃんがやってきて少し話す。「若いうちにやっておかなきゃ!」
 と肩を思いっきり叩いて応援してくれた。帰り際に物産館でどんぐりあんこ入りの餅を買ってきて手渡して
 くれた。ありがとうございました!…またどんぐり。
 
 野田名物「どんぐりアイス」ま〜、かわいらしいパッケージ♪

  道の駅の人に教えてもらった銭湯に行く。自転車を止めると一瞬目を疑った。
  隣の商店にタヌキが入っていったではないか!思わずおばちゃんにタヌキ飼ってるんですか?と聞くと
 笑いながら「タヌキ飼ってるのよ〜」と。
  マジッ?タヌキって飼ってもいいのか…。その後の調査でネコってことが判明したけど(笑)

  途中小学生の集団から「頑張ってくださ〜い」とエールを貰う。それに手を挙げて答えるも、次から次へ
 と「頑張って」だ。こっちもその度に答えていたけど多すぎ!嬉しいけど疲れるわ〜。

  お風呂は昔ながらのレトロな銭湯。私が入るときに出て行ったおじいちゃんが「ここのお湯は熱くて入っ
 てられんわ」と言っていた。
  ん?常連さんじゃないのか?熱いって分かってていつも入ってるのか?しかも文句をいいながら…。か
 なり理解に苦しむところがあるけど、最後まで「熱い」を繰り返していた…。

  確かに熱い。私も入れなくて、その代わりに低温サウナでご入浴〜♪
  お風呂から上がって帰り際におばちゃんが「道中素晴らしい旅でありますように」と祈ってくれた。ここ
 の人はみんな温かいな☆
 
 陸中の湯の脱衣場。ところが牛乳はなかった〜

  道の駅に戻るとお遍路さんが到着していて、更にチャリダーが1人いた!まさかこんなところで出会える
 とは。まだ走っている人いるんだなぁ。
  彼は大阪の人で、電気やらPCやらメチャメチャ詳しかった。そっちの技術職らしい。
  最後の最後まで喋りまくる人だなぁ。今まで出会った関西の方も例外なくおしゃべりだったし。

  お遍路さんはどんな装備を持っているんだろうって思ったらいたって普通のテントなど。まあ、当たり前
 っちゃ当たり前なんだけど。

  道の駅の物産館のおばちゃんにまたしても餅を頂く。ありがたや〜。本当にここの方々は優しい方ば
 かりだ。

  夕飯にパスタを作って食べ、テントの中でインターネット。すぐ近くにコンセントがあり、そこから電気を
 拝借しながらネットが出来る環境ってあんまりないから貴重だ。

  明日は雨模様なので3人揃って移動はしない予定。なにしようか。
 
 旅人3人揃っちゃいました。


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